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【J1:第7節 川崎F vs 仙台】川崎F側プレビュー:クラブ史上最も難しい相手との対戦。私情を捨てて、100%の力で仙台を迎え撃ちたい(11.04.22)
3月29日に大阪・長居競技場で行われたチャリティーマッチの試合前。仙台サポーターのカップルに撮影を依頼すると彼のほうが「メッセージを書いてきたので、それも撮ってもらっていいですか?」と申し出てくれた。「もちろん」と待っている間、少しばかりの身の上話を聞くこととなった。彼女のほうは気仙沼の出身だそうで、震災当日の夜にTVに映し出された炎に包まれる故郷の映像を見て、ただただ泣くことしかできなかったという。痛ましい話に心を痛めつつ待っていると、彼が用意したのが「みんなありがとう」と書かれた横断幕だった。「重いものを背負いながらも、人は感謝できるものなのだなぁ」と泣きそうになりながら、撮影させてもらった。(撮影した写真はこちら)
凛とした目線と、柔らかな笑顔が印象的な2人だった。巨大な地震とそれに続く津波。そして、気仙沼を襲った大規模な火災といった震災の傷は全く癒えていないのにも関わらず、全国、全世界からの善意に謝意で応えようとするその気持ちに心が洗われる思いだった。
そんな仙台サポーターが愛するクラブ、ベガルタ仙台とこのタイミングで対戦しなければならないことが、少しばかり心苦しい。それはもちろん選手も同じ心情で、たとえばキャプテンの井川祐輔は「完全に僕ら、ヒール(悪役)ですよね。だけど、被災地だからということは見せず、90分間はそれを忘れてプレーしたい。それで結果を見て感動してもらえるような試合をしたいですね」と話している。また中村憲剛も「グランドに入れば(やりにくさは)ないと思います。震災後は心を痛めていましたが、グランドに立つ90分間はそれはない」と言い切る。そんな2人の心情は、川崎Fのすべての選手に当てはまる心情でもある。彼らは、被災地のクラブへの支援の思いと、試合とを完全に切り分けている。
相馬直樹監督が率いる川崎Fは、サッカーとしてのおもしろさを実現すべくチームづくりを進めてきている。相手ボールに対する最初の守備のかけ方に始まり、相手ボールをいかに奪い取るのかに主眼を置く攻撃的な守備がまずひとつ。そしてそこからの素早い切り替えで相手ゴールを陥れられるチームに。
そうした姿勢は、開幕戦となった山形戦での戦いに反映されていた。すなわち、サイドチェンジよりも縦への崩しのパスを優先させる攻撃の組み立てである。3月5日の山形戦では、ボールサイドの選手が、縦方向のパスコースを常に意識し、それを優先させるパスワークを見せていた。がら空きの逆サイドにフリーの選手がいるからそこを使うのではなく、まずは攻撃、シュートにつながる選手へのパスを優先させる組み立てとして、その戦いの特徴は際立っていた。
相馬監督が新任であることもあり、この1カ月半もの中断はコンビネーションを高める効果をもたらすものと考えられたが、現実はそう甘いものでもない。ポゼッションはできるのだが、フィニッシュへと結びつける2手3手前の組み立てに問題があり、思うように相手ゴールに迫れないのである。また気になる部分がある。2月4日の中央大学との練習試合で完封して以来、練習試合での失点が続いているのである。もちろん、中には90分(つまりレギュラー組)では無失点という試合もあるにはあるのだが、それにしてもこれだけ失点が続いていることについてはあまり気分のいいものではない。
失点の形も、ある程度ボール支配率を高めながらワンチャンスの速攻で決められるというものが多い。つまり攻めこむことがバランスを崩す結果を生み出し、それが失点につながるという悪循環に陥っているようにも見える。そうした課題が、この試合でどの程度修正できているのか、注目してみたいと思う。
朗報があるとすれば、ケガのため出遅れていたジュニーニョが実戦に出られる程度にまでコンディションを戻してきた点である。本人に聞くと「まだ80%程度」とのことだが、それにしてもベンチ入りできる程度にまでは体調が戻ってきているのはプラスであろう。先日行われた千葉との練習試合でも活躍を見せており、この試合でもその働きに期待が集まる。
もちろん、ジュニーニョ一人に頼らずとも高いクオリティーを持つ選手を多数抱えているチームである。「(中村)憲剛さんに限らず、柴崎さん、稲本さん、(田中)裕介さんと、どこからでもパスが出てくる」と登里享平はパスの出どころの多彩さを口にし、だからこそゴールに近づきたいのだと意欲を見せていた。山形戦で度肝を抜くようなドリブルシュートを決めた矢島卓郎もコンディションを維持している。ケガの山瀬功治も戻ってきた。そういう点では、ジュニーニョの出番のない、もしくは安心して今季初めてのピッチを踏めるような試合展開になっていることを期待したいと思う。
すべての被災者の思いを背負うことが確実な仙台は、すさまじいモチベーションでこの試合に臨むはず。ただ、その思いを全力で受け止め、跳ね返すことが、この試合を楽しみにしつつ見ることになる人たちへの感謝の表し方であろう。「手を抜いたらスポーツではないし、見に来てくれた人に失礼だと思う」(井川)という気持ちを持って、川崎Fは仙台を迎え撃つ。仙台が超えるべき壁の大きさを、実感させるべく、戦う。
※仙台側プレビューはこちら
復興への第一歩“垣根”取る!仙台&川崎サポーター合体応援!!…23日J再開
http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/jleague/news/20110422-OHT1T00264.htm
クラブの垣根を越え、日本を盛り上げる。東日本大震災の影響で試合を中断していたJリーグは23日、各地で再開されるが、川崎―仙台戦の会場となる神奈川・川崎市の等々力競技場が、ホームサポーターとアウェーサポーターを仕切る緩衝地帯を取り払うことが22日、分かった。Jリーグはサポーター同士のトラブルを防止するため、緩衝地帯の設置を推奨しており、川崎はJ1に再昇格した05年以降、設けないのは初。隔てる空間をなくし、川崎と仙台サポーターが、復興へ手をつなぐ。
まさに、異例中の異例だ。ホームとアウェーを隔てる物理的な空間はこの試合に限り、ない。敵と味方の間に設ける5列分の客席を空席にする緩衝地帯。サポーター同士のトラブルが顕在化して以降、Jリーグは安全上の理由でこの地帯の設置をクラブに求めてきた。だが、「両者を隔離するという概念は脇に置いておいた。これが最初で最後になると思う」。川崎の運営担当者は明かした。
3月下旬のリーグ再開日程決定後、川崎はサポーターとの話し合いの中で、「仙台戦は緩衝地帯をなくしたらどう?」という意見が寄せられたという。仙台と川崎のサポーターは、両チームの前身であるブランメル仙台、富士通サッカー部時代から交流があったほど、結びつきは強い。震災後には、川崎サポが個人的に仙台サポへ支援物資を送ったケースもあった。
「直接、試合会場で顔を合わせて、安否確認をしたいと川崎サポから言われた」(仙台サポーター)と両者がコミュニケーションを取れる形をサポーターが望んだ。また、「アウェーグッズを買うことで、仙台を直接的に支援したいという声もあった」(川崎関係者)と、通常は隔離されるコンコースの行き来も自由になる。
ともに盛り上げたいという気持ちは、仙台サポーターも同じ。等々力でのホームゲーム前日は、川崎市内の駅でのスタッフやサポーターによる恒例のビラまき。今回は仙台サポの2人が志願して、仙台ユニホーム姿で溝の口駅でビラ配りに加わった。アウェーサポの助勢もまた、前代未聞だった。
被災地に深い傷痕を残し、列島を先の見えない混迷に陥れた震災。戦後最大の危機が継続される中で、ようやく戻ってきたサッカーという日常。川崎と仙台の人々は、サッカーファミリーの結びつきを再確認している。試合前には仙台、川崎OBチームVS芸能人チームのチャリティーマッチ、牛タンの売り上げを寄付する「牛タン募金」など、さまざまな支援活動が行われる。
ただ、本当に皆が楽しみにしているのは、真剣勝負。求めるのは最高のゲーム。試合が始まれば、各々が全力で自分のチームを応援し、勝敗の行方に一喜一憂する。その熱狂が、サッカーの帰還の証し。そのエネルギーは小さくないはずだ。
仙台と対戦の川崎F・相馬監督「非常に重いゲーム」
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2011/04/23/kiji/K20110423000678890.html
J1第7節 川崎F―仙台 (4月23日 等々力)
再開初戦でホームに仙台を迎える川崎Fは約2時間の最終調整。DF小宮山は「相手はいろいろな思いを背負ってくるだろうけど、こっちも負けられない」と必勝を誓った。
練習終了後にはピッチ上で選手たちが自主的に集まり、ミーティングを開いた。MF中村は「チームが一つになろうと確認した。久しぶりの公式戦。サッカーって楽しいよね、という試合を見せたい」と意気込んだ。
一方で、支援活動には積極的に取り組んでいる。等々力競技場では焼き肉チェーン「牛角」が仙台名物の牛タン(1皿500円)2000人分を販売、売り上げの全額を義援金として寄付。また出店の売り上げは年間を通じ一部を義援金とすることも決まっている。
ただピッチで手は抜かない。相馬監督は「非常に重いゲーム。仙台は強い思いを持って臨んでくると思う。それを上回るようでないと。90分間ゲームに入り込み、集中してプレーしてほしい」と真剣な表情で話した。
選手だけで青空ミーティング…川崎
http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/jleague/news/20110422-OHT1T00263.htm
川崎は22日の練習後、ピッチ上で選手だけの青空ミーティング。最近の練習試合は2敗1分けと結果が出ておらず、「互いに意見を出す場が必要だと思った」とDF井川主将の発案で開催。戦術、メンタル面を話し合った。仙台は、高いテンションで向かってくることが予想されるだけに、ベンチスタートが濃厚なFWジュニーニョは「全力を尽くすことが我々の誠意」と、受け身にならず戦うことを確認した。
川崎が最終調整、憲剛「一つになろうと確認」
http://www.sanspo.com/soccer/news/110422/sca1104221645007-n1.htm
再開初戦でホームに仙台を迎える川崎は、川崎市内の練習場で約2時間の最終調整。DF小宮山は「相手はいろいろな思いを背負ってくるだろうけど、こっちも負けられない」と必勝を誓った。
練習終了後にはピッチ上で選手たちが自主的に集まり、ミーティングを開いた。MF中村は「チームが一つになろうと確認した。久しぶりの公式戦。サッカーって楽しいよね、という試合を見せたい」と意気込んだ。
【川崎F】相馬監督「仙台上回る思いで」
http://www.nikkansports.com/soccer/news/f-sc-tp1-20110422-764963.html
川崎Fは22日、麻生グラウンドでセットプレーなどを行い、23日の仙台とのリーグ再開戦(等々力)へ最終調整した。
FW矢島卓郎(27)と2トップで先発出場が濃厚なMF山瀬功治(29)は「体の状態は悪くない。等々力は(横浜時代から)もともと嫌いじゃない競技場。川崎のサポーターは心強い。久しぶりに等々力で試合ができるのは楽しみですね」と話した。
被災した仙台と対決することに、相馬直樹監督(39)は「向こうは大きな思いでぶつかって来る。それを上回る思いで戦わないと、勝つことは非常に難しい」と話した。
仙台vs川崎Fはみちのく実況で生中継
http://www.nikkansports.com/soccer/news/p-sc-tp1-20110422-764627.html
「みちのくコンビ」が被災地へ激闘を伝える。明日23日、東日本大震災の影響で中断していたJリーグが約1カ月半ぶりに再開する。注目の仙台はアウェー(等々力)で川崎Fと対戦。生中継するNHKBS1では、かつて宮城・仙台放送局に勤務した吉松欣史アナ(43)が実況を、岩手・盛岡放送局に赴任経験がある一橋忠之アナ(34)がベンチサイドリポートを担当する。2人は被災した「第2の故郷」の復興への思いを胸に、ピッチに戻ってきたJ戦士の熱い戦いを届ける。
大震災で被害を受けた仙台の船出となる一戦で、被災地にもなじみの深い「みちのくコンビ」がマイクを握る。NHKは川崎F-仙台戦をBS1で午後2時から全国生中継する。元仙台放送局の吉松アナが実況し、元盛岡放送局の一橋アナがリポーターを務める。震災前に決まっていたものだが、運命的だった。
吉松アナは03年夏から3年間、仙台に赴任。サッカーや野球などを担当した。同年齢の仙台手倉森監督とも仲がいい。今回の震災直後は安否・避難所情報を伝え、1週間後に仙台へ応援に向かった。京都放送局にいた95年には阪神・淡路大震災の被災地取材も経験した。一橋アナは04年まで5年間、盛岡に赴任。1年目に陸前高田市の漁港でシラウオ漁に挑戦した。当時、取材に応じてくれた漁師の中には、いまだに安否が分からない人もいるという。
この日、吉松アナは川崎Fの練習を取材。「少しずつだけど日本は普通の生活に戻りつつある。サッカーもできる状況になったんだよ、ということをしっかり伝えたい。ベガルタの苦労と一緒に(募金活動など)川崎のやってきたことも伝えたい」と意気込んだ。仙台の練習取材に訪れた一橋アナは「選手の活躍、思いというものをきちんと伝えたい」と話した。
NHKは当日の放送で仙台のリーグ再開までの歩みを編集したVTRを紹介する。仙台市一番町の「壱弐参(いろは)横丁」でのパブリックビューイングの様子も、試合の合間に仙台放送局の高瀬登志彦アナ(37)が伝える。この試合番組を構成・指揮する森中隆介ディレクター(33)も、08年夏まで5年間、仙台放送局に勤務していた。第2の故郷・東北に思い入れのあるスタッフが、総出で仙台の再出発を全国に伝える。
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相馬監督のコメントを見つけましたので、追加の更新です。
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【Jリーグ再開に関する記者会見】相馬直樹監督(川崎F)コメント(11.04.22)
http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00117705.html
明日からのJリーグ再開に向けて、Jリーグ大東和美チェアマン、オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島)、木村和司監督(横浜FM)、相馬直樹監督(川崎F)、手倉森誠監督(仙台)が出席し、JFAハウスにて会見が行われました。
会見に出席した、相馬直樹監督(川崎F)のコメントは以下のとおりです。
●相馬直樹監督(川崎F):
「まずは、今回被災された方々にお見舞い申し上げたいと思います。明日リーグ戦再開という事になりますが、今自分たちができる事は何かと色々考えましたが、やはりサッカーだと。選手である以上サッカーで元気・勇気を伝える事ができるかという事かと思っています。
それをどこまでピッチで(表現)できるか。内容そして結果も大事ですが、再開のゲームで、今回一番被災が大きかった仙台と対戦すると言う事で、強い思いを持って臨んで来られると思っていますし、それを上回るサッカーに対する真摯な思いを見せ、そしてその中で見て下さった方に勇気を与えられるようなゲームを選手たちにはしてもらいたいし、そう言う姿勢で明日臨みたいと思います。
もちろん結果も欲しいですが、一番はそう言う姿、想いを是非明日ピッチ上で表現選手たちと一緒にしたいと思います。
再開のカードが決まった時に、選手には『非常に難しいゲームになる』と話しました。仙台の気持ちに迎え撃つのでは飲み込まれてしまうので、それを上回る気持ちで臨めるよう準備してきましたし、そう言うプレーをしてそれがいい結果になればと。見て下さった方に伝わるように、結果に結び付けられたらと思います」
Q:リーグ戦が中断したことが今後に与える影響は?
「夏のブレイクがなくなったと言うことがありますが、Jリーグの監督自体初めての経験なので、正直(どんな影響があるか)分かりません。現状では再開初戦が仙台と言う事で非常に重いゲームになると思っていたので、(この中断期間は)メンタル・フィジカルいろんな意味でコンディションを合わせると言う事に費やしてきましたし、まだ先の事はあまり言えないと言う感じです」
以上